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【高島屋、フィードフォース、岡山製紙】実体経済に好転の兆しが見える中で業績大幅成長を発表した3銘柄の注目ポイント

高島屋(8233)

 老舗百貨店として有名な高島屋は、過去2年間の決算で成長を続け、素晴らしい業績を出し続けている。

 そして注目すべきはその割安感である。6月28日現在、PER11.2倍、PBR0.91倍という割安さであり、PBR1倍割れ銘柄。いまだにその好業績が株価に反映されているとは言えない状況である。

 新年度の業績見通しとしては、4月に発表された2024年2月期本決算時に最高益予想を出していたが、6月28日に発表した2025年2月期第1四半期決算では、その最高業績に加えた上方修正が発表された。上方修正の理由としては、「インバウンド売上高の増大」をあげているが、円安の恩恵を大きく受ける銘柄といえる。

 これからも安心して業績成長を見ていられる銘柄といえるだろう。

フィードフォースグループ(7068)

 最適な広告を表示するマーケティングツールを提供し、EC事業支援やSaaS提供も行っている同社は、6月27日に2024年5月期本決算を発表した。

 売上、営業利益、経常利益で最高業績を達成したが、新年度の業績見通しとして、そこからさらに売上+8.3%、営業益+45.5%、経常利益+52.7%、純利益2.5倍、という大幅増益成長を発表した。特に、純利益においては、前期も4.2倍成長し、そこからさらに新年度は2.5倍の成長となる過去最高業績を見込んでいる。

 決算発表翌日の6月28日は株価が前日比8.37%上昇を遂げたが、今後グロース市場の期待のスター銘柄として今後も注目したい。

岡山製紙(3892)

 岡山県が地盤の板紙中堅で、段ボール用中芯などが主力の同社は6月28日に2024年5月期通期業績の上方修正と配当の増額修正を発表した。

 同社はPER6.2倍、PBR0.6倍で、PBR1倍割れの割安の株と言える。

 業績上方修正後の通期業績は、前期比で売上+5.8%、営業利益2.7倍、経常利益2.5倍、純利益2.3倍、EPS2.5倍という大幅な利益成長を予想している。

 最近ではPBR1倍割れ企業の株価対策が進行し、徐々に1倍割れ企業が減少しているが、業績がここまで成長している銘柄がいまだにPBR1倍割れしているというのはなかなか見かけない。増額修正しても配当利回りは1.56%とまだまだ低い状況であり、ここからさらなる株主還元を期待したい。株主還元が行われれば当然株価は好感するだろう。今後の同社の株価上昇に期待したい。

まとめ

 1ドル160円を突破した今、「物価高騰で国民が苦しめられている」「悪い円安」といった論調で日本経済がネガティブに語られることが多い。

 しかし、消費者物価指数の動向や賃金動向を見れば日本経済は正常化に向けて着々と歩みを進めている。十数年前の1ドル70円代に突入した当時、日本経済はデフレ、失業で溢れ返り、不景気の真っただ中にあった。それに比べれば今の日本経済は物価、雇用情勢とも、堅調な状況だ。

 今のような環境では、業績がよい企業を比較的簡単に見つけ出すことが可能だ。日々の決算発表や修正発表はそのような情報の宝庫であり、次の大化け銘柄を掘り当てる大きなチャンスも埋まっているだろう。

【プロフィール】
古賀真人(こが・まさと)/個人投資家、経済アナリスト、会社経営者、投資系YouTuber。1978年、埼玉大学経済学部卒業後、国内大手金融機関、外資系金融機関勤務を経て独立し、株式会社ライフサポートを設立。25年以上の株式投資経験を活かし、チャート分析からはわからない経済分析、個別企業分析をYouTube「カブアカちゃんねる」で展開。全決算を最速分析しているnote「カブアカマガジン」(https://note.com/masatokoga)を日々更新中。

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