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お金も時間もかかる中学受験 「偏差値下位の私立中学なら進学する意味はない」の意見を高校受験塾の現役講師はどう考えるか

偏差値だけではわからない学校の価値

「『偏差値下位の私立中学って、進学する意味がないですよね?』とよく聞かれるのですが、私はまったくそうは思いません。偏差値下位の学校の中には、あまり成績が優秀ではない子供に対して、非常に面倒見良く勉強を教えてくれる学校がありますし、発達障害をもつ子供の受け皿になっているような学校もあります。そうした学校ごとの価値を見出せるのなら、進学する意味はあると思います。

 では、どうやって学校を選べばいいか。やはり塾に相談するのが一番いいと思います。お子さんの学力で手が届きそうな学校を教えてくれるので、その中から学校説明会や学園祭などに足を運んで見学すれば、『この学校、けっこういいね』『子供に合ってそうだな』という学校が見つかるのではないでしょうか。

 何校見学しても、親も子もしっくりこないというのなら、中学受験というのは所詮はオプションですから、無理をする必要はありません。中学受験からは撤退して、地元の公立中学校に進学すればいいのではないでしょうか」(東田氏)

 東田氏は、中学受験に価値を見いだせないのであれば、無理する必要はないという。志望校選びは、偏差値にこだわらず「子供が気に入るかどうか」で決めてもいいのではないだろうか。

 次回は、子供に受験生としての自覚がなかなか生まれないことに、苛立ちを覚える保護者の悩みに東田氏が答える。

第2回に続く

【プロフィール】
東田高志(ひがしだ・たかし)/Xで 4.6万 フォロワー(2024年7月現在)のいる教育系インフルエンサー。首都圏の受験情報を毎日配信している。実生活では、20 年以上のキャリアを持つ塾講師。学校と塾の変化を見続け、現場を知り尽くし、小・中学生を教えてきた。教え子のなかには、中学受験の撤退組、全滅組がおり、中学受験が合わなかったと感じる子どもをたくさん見てきた。2024年5月、保護者からの疑問に答える『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』(Gakken)を上梓。フィールドワークとして都内各地の公立中学校や都立高校を訪問し、区議会議員とのコラボイベントも開催している。

取材・文/清水典之(フリーライター)

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