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「高1でbe動詞がわからない」受け身で過大な量の勉強を続けた結果、中高一貫校の“深海魚”に 中学受験にありがちな「勉強を強制させられるリスク」

中高一貫校の底辺に沈んだまま抜け出せない“深海魚”

 東田氏は中学受験にありがちな「勉強を強制させられるリスク」についてこう語る。

「中高一貫校には“深海魚”という言葉があります。中学入学後に成績が低迷して、6年間、深海(底辺)に沈んだまま抜け出せなくなってしまう子をそう呼んでいます。私は高校受験の講師ですので、私立の中高一貫校に高校から入る子もたくさん見てきましたが、入学後に学校の状況を聞くと、内部進学者の学力差が大きい学校もあって、“高1の時点でbe動詞と一般動詞の区別がつかない子がいる”といった話も耳にします。

 中学受験のシステムの凄いところは、やる気がない子も強制的に勉強させる体制が整っていることです。塾の授業についていけない子でも、お金はかかりますが、個別指導塾や家庭教師を入れて、学習スケジュールも全部組んで、強制的に勉強させて学力をその子のMAXまで引き上げてくれるのです。

 しかし、小学校時代に受け身の勉強をずっとやらされ続けた子というのは、そもそもやる気がないし、勉強に嫌気が差しているので、中学に進学したからといって、急にやる気が出るなどということはまずありません。中高一貫校のカリキュラムは、自動的に全ての子の学力を上げる装置でも魔法でもない。

 ずっと勉強に対してモチベーションを持てないままだと、6年間、深海で過ごすことになりかねません。どんな子にも深海魚になるリスクはありますが、やはり中学受験で、受け身で過大な量の勉強をさせられた子は、一番そのリスクが高いと言えます」(東田氏)

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