7月14日に初日を迎える大相撲7月場所。5月場所で史上最速Vを果たした大の里は、新関脇として本場所に臨む。今年1月場所に新入幕を果たしたばかりながら、横綱や大関を打ち破って破竹の勢いで出世街道を歩んでいる大の里だが、意外なことに注目の取組に集まるイメージのある「懸賞金」の獲得本数においては、上位陣にまだまだ水を空けられている。背景には角界独特の分配をめぐる慣習があるようだ。
「懸賞」は幕内の取組に懸けられる。呼出しが企業や商品名が書かれた懸賞旗を掲げて土俵の周囲を回り、場内放送で宣伝文句がアナウンスされる。NHKの大相撲中継では、場内放送の音声を絞ったうえで引いた映像の上に過去の対戦成績などの文字が重ねられるためわかりにくいが、館内で本場所を観戦している者にはかなりのインパクトがある。協会関係者が言う。
「懸賞旗1本につき活字で15文字以内の宣伝文句がアナウンスされます。そのため目立つデザインの懸賞旗を同じ取組に集中させ、興味をひく宣伝文句を流すスポンサーが多くなっている」
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