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新紙幣導入でパチンコホールの閉店ラッシュに拍車 遊技機のスマート対応と設備投資の負担が重なり経営を圧迫、出玉へのしわ寄せも懸念

(上段左から)新1万円札、新5千円札、新千円札(時事通信フォト)

(上段左から)新1万円札、新5千円札、新千円札(時事通信フォト)

すべてのホールで新紙幣が使えるようになるには時間がかかる

 年々減少するパチンコホール。矢野経済研究所が発表した調査結果によると、2023年12月末でのパチンコホールは6839店舗で、前年から526店舗減少した。ちなみに、2022年のホール減少数は774店舗、2021年のホール減少数は639店舗だった。新紙幣の導入が、この閉店ラッシュに少なからず影響を与えているだろう。

 また、ユーザーがパチンコ玉やメダルに一切触れることなく遊技する「スマートパチンコ・スマートパチスロ」も閉店ラッシュの一因となっているという。スマートパチスロは2022年11月、スマートパチンコは2023年4月にホールに登場した。

「スマパチ・スマスロの場合、スマート機専用のサンドが必要です。つまり、ホールにとってはスマート機への移行でも設備投資が必要だったわけです。スマート機専用ユニットの導入と新紙幣対応という、2つの設備投資がホールにとっての大きな負担になっているのは間違いない。しっかりお客さんがついているホールであれば設備投資を回収することもできますが、繁盛しているわけではないホールにしてみれば、設備投資をしたところで回収するのは簡単ではない。こういった状況が結果的に閉店ラッシュを招いていると言えますね」

 一方で、新紙幣への対応を進めたくても、すぐに進められない事情もあるという。

「サンドのプログラム変更や識別機交換、あるいはサンドそのものの交換をしたくても、設備業者の人手が足りていなかったり、機器の調達が間に合わなかったりで、なかなか作業が進められないホールもあると聞いています。大手ホールチェーンなどは早い段階から計画的に対応を進めているところもありますが、中小や個人経営のホールだと簡単ではないようです。

 また、サンドの新紙幣対応が間に合わないホールでは、新紙幣が使えるICカードの券売機を設置したり、新紙幣から旧紙幣に両替できる両替機を設置したりするケースもあるようです。すべてのホールで新紙幣が使えるようになるには、まだ時間がかかりそうです」

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