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新紙幣導入でパチンコホールの閉店ラッシュに拍車 遊技機のスマート対応と設備投資の負担が重なり経営を圧迫、出玉へのしわ寄せも懸念

新紙幣対応の負担増がホールの経営を圧迫(イメージ)

新紙幣対応の負担増がホールの経営を圧迫(イメージ)

 7月3日から20年ぶりに導入された新紙幣。さまざまな業界でその対応に追われているが、パチンコ・パチスロ業界も例外ではない。パチンコ玉やパチスロのメダルを貸し出す「サンド」と呼ばれる玉貸機の新紙幣対応を進めなくてはならないのだ。

 現在のパチンコ・パチスロは、台と台の間に設置してある「サンド」に紙幣を入れて、玉を借りるシステムだ。クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスには一切対応しておらず、紙幣しか使えない。つまり新紙幣に対応するには、各台に設置しているサンドを更新したり、交換したりする必要がある。パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。

「サンドの新紙幣対応としては、サンド自体を交換するケースのほか、プログラムを変更したり紙幣の識別機を交換したりするケースがあります。プログラム変更や識別機交換だけであれば、1台あたり高くても数万円程度で済むと言われていますが、サンドごと交換すると1台あたり20万円ほどかかってしまうこともあります」

 売上が好調な人気ホールであれば、新紙幣対応のコストを捻出することもできるが、パチンコ・パチスロ人口が減少し続けている昨今の状況のなかで、経営が厳しくて新紙幣対応にコストを掛けられないホールもあるようだ。

「新紙幣対応にお金をかけるほどの経営体力がなく、営業休止や閉店を余儀なくされるホールも少なくないようです。そもそも新紙幣導入は以前からわかっていたことであり、これを見越したうえで、昨年のうちに閉店したというホールもたくさんあるでしょう」(藤井氏・以下同)

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