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「交通事故の相手がドライブレコーダーの提出を拒否…」“加害者が被害者に証拠を提出する義務はない”状況で提出を求める方法【弁護士が解説】

ドライブレコーダーを提出してもらう方法はないのか(イラスト/大野文彰)

ドライブレコーダーを提出してもらう方法はないのか(イラスト/大野文彰)

 交通事故において、その状況を示す証拠になるのがドライブレコーダーに録画された映像だ。では、被害者側が加害者の車に搭載されたドライブレコーダーの映像を証拠として提出するように求めた場合、加害者側にその義務はあるのだろうか? 実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 車を運転中、信号無視をした車が急に飛び出してきたため事故が起こりました。信号無視をしたのが悪いのに、相手はそれを認めません。

 私の車にはドライブレコーダーが付いていないのですが、相手の車には設置されていたので、「ドライブレコーダーを提出してほしい」と頼みましたが拒否されました。

 重要な証拠なのに、ドライブレコーダーの提出を拒否できるものなのでしょうか。(千葉県・59才女性・アルバイト)

【相談】
 交通事故の原因分析の上で、ドライブレコーダーの映像は有用です。責任の所在に争いがあるときは、特に重要な役割を果たすことがあります。あなたが提出を求めたいのは当然です。

 しかし、事故の加害者だからといって被害者に提出する義務はありません。

 交通事故におけるドライブレコーダーに限らず、私人間で紛争が起きて、有利な解決を得るための決め手になる証拠が相手の手中にある場合、相手にその証拠を出すように要求する権利は当然にはないのです。相手が断ればそれ以上どうしようもありません。

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