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「資さんブランドを甘く見ていた」資さんうどん東京進出で“外様”COOが語る「北九州から全国展開」の展望 波乱の新規出店を助けたベテラン従業員たちの心意気

資さんうどんの看板メニューの「肉ごぼ天うどん」(税込760円)。スティック状のごぼ天が特徴

資さんうどんの看板メニューの「肉ごぼ天うどん」(税込760円)。スティック状のごぼ天が特徴

 北九州のソウルフードとも呼ばれる老舗うどんチェーン「資(すけ)さんうどん」。創業者・大西章資氏が北九州市戸畑区に「資さん1号店」をオープンさせたのは1976年のことだった。長く北九州市を中心に、福岡市や関門海峡を隔てた山口県で営業していたが、創業者の後を継いだ経営陣は拡大路線に舵を切り、現在は九州の全県、山口県、岡山県、大阪府、兵庫県に69店舗を展開。そして、7月13日には東京進出を発表した。ただ、「ローカルチェーンの全国展開」に踏み出すまでには、様々な困難があったという。

 とんこつラーメンのイメージが強い福岡県は実はうどん人気も高く、創業者の大西氏は激戦区で生き残るために徹底的に出汁にこだわったという。2年がかりで試行錯誤を重ね、独自の出汁を開発。この味が、現在に至るまで資さんうどんの背骨となっている。

 黄金色の出汁は、大きく分類すれば関西風だが、風味は微妙に違う。出汁の味は少し甘めだ。麺は、とろけそうに柔らかい福岡うどんと、コシの強い讃岐うどんの中間といったところ。うどん以外にもカツとじ丼やカレー、おでんなど、メニューの数は100を超え、子供からお年寄りまでを幅広くターゲットにしたラインナップを揃える。ひとりで店に立ち寄り、ビールとおつまみだけの“ちょい飲み”に使う人もいるという。

 そうして北九州に根付いていた資さんうどんに大きな転機がおとずれたのは、2012年のことだった。カリスマ的創業者の大西氏が病床に伏して株式会社資さんの社長を退任し、後継者問題が浮上したのだ。

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