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「資さんブランドを甘く見ていた」資さんうどん東京進出で“外様”COOが語る「北九州から全国展開」の展望 波乱の新規出店を助けたベテラン従業員たちの心意気

マニュアル化できない調整力

年間540万個売れるぼた餅(税込160円)

年間540万個売れるぼた餅(税込160円)

 資さんうどんの人気メニュー「ぼた餅(税込160円)」もそのひとつだという。厳選した小豆で仕上げたあんこに、各店でふっくらと炊き上げたもち米をくるむ。年間540万個以上売れる看板メニューだ。大井氏が続ける。

「あんこは本社に併設された工場で炊いているのですが、食材は生き物ですから、季節によってコンディションが違います。水の違いや、気温・湿度の違いで、炊きあがりも微妙に違ってくる。一定の味を保つために、行程の各ポイントで、長年研鑽を積んだ“職人さん”が味を整えて仕上げます。経営を引き継いだ当初は、誰もが作れるようにマニュアル化したいと思って、何度か挑戦したのですが、完全にはマニュアル化できないんですよ。結局、その日その日のコンディションを見ながら人が調整するしかない。今でも、愚直にそれを続けています」

 経営陣が代わる直前の店舗数は北九州を中心に39店舗だったが、佐藤氏や大井氏は“こだわりの味”をより多くの人に知ってもらおうと考え、店舗数拡大に踏み出す。

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