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【日本株週間見通し】日経平均は週末に急落も、短期的な過熱感は解消

 為替市場では、11日発表の米CPIは、前月比で上昇するとの市場予想に反して、0.1%低下したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げを開始するとの見方から、米10年国債利回りは4.16%まで低下。ドル・インデックスは104.6から103.8まで低下するなどドルは主要通貨に対して売り優勢となった。一方、米CPI発表後、円は主要通貨に対して全面高となったことから、市場では政府・日銀が円買い介入を行ったとの見方が強まっている。

 介入を実施したとなれば、既に4月26日―5月29日に9兆7885億円を介入に費やしていることから、米財務省が為替報告書で定める操作国認定基準のひとつの項目である「介入額がGDPの2%を超える場合」に、総額では並んだ、もしくは超えた可能性がある(名目GDP(591兆円)の2%の約12兆円)。もっとも、操作国認定基準では「過去12カ月間で8カ月以上外貨買い介入を実施」している点も存在することから、数回、円買い介入を実施しただけでは基準に該当しないという整理も可能だ。

 一方、12日の朝方には「日銀が対ユーロでレートチェックを実施」と伝わったことで、円は瞬間的に対ユーロで2円ほど円高ユーロ安が進む場面が見られた。1999年から2003年にかけて、政府・日銀が円売りユーロ買いの介入は実施したことはあるが、円買いユーロ売りの介入実績はない。円買いユーロ売り介入実施となれば歴史的な事ではあるが、為替市場は神経質な地合いを迎えている。為替市場の乱高下は、海外売上高比率が高い銘柄に大きな影響を与えることから、自動車株を筆頭に積極的な売買は手控えられる可能性は高い。
 
 今週にかけて、国内では、18日に6月貿易収支、19日に6月消費者物価指数などが予定されている。

 海外では、15日に独・5月小売売上高、中・6月新築住宅販売価格、第2四半期実質GDP、6月鉱工業生産指数、小売売上高、欧・5月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・7月NY連銀製造業景気指数、16日に独・7月ZEW景況感指数、欧・7月ユーロ圏ZEW景況感指数、5月ユーロ圏貿易収支、米・6月小売売上高、輸出物価指数、17日に・NZ・第2四半期消費者物価指数、英・6月消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数、米・6月住宅着工件数、鉱工業生産指数、週次原油在庫、18日に南ア・中銀政策金利、豪・6月雇用者数、失業率、英・5月ILO失業率、6月失業率、失業保険申請件数、欧・ECB政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、7月フィラデルフィア連銀景況指数、19日に英・6月小売売上高などが予定されている。

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