株安&円高リスクに対する考え方
長期的な資産形成のためにアメリカ株を購入しているのであれば、短期的な株価の下落や為替の変動は気にせず、そのままホールドでよいと思います。なぜなら、為替の動きは予想しづらく、“今後、円高になるかもしれない”と考えてアメリカ株への投資を控えていたら、大きな機会損失になるかもしれないからです。1ドル150円になったとき、これ以上円安になると考えていた人は少なかったかもしれませんが、それが今や160円前後になっています。
もちろん、今後、アメリカが金利を引き下げ、日本が金利を引き上げれば、金利差縮小で今より円高に振れる可能性はあります。一方で、毎月、わたしたちが積立投資でアメリカ株を購入していること自体が、円安に寄与しており、そこまで極端には円高になりにくいとも考えられます。
アメリカ株に関していえば、これからも人口が増え続け、経済成長が続く見通しがあり、なおかつイノベーションを産みだすグローバル企業が多く生まれる土壌を持っていることから、短期的な下落はありつつも、やはり長期的には右肩上がりが続くと期待できます。そう考えるならば、株安&円高になることをそれほど恐れず、淡々と積立投資を続けるのがよいでしょう。
逆に考えると、株安&円高は、安い株を有利な為替レートでたくさん買えるチャンスとも言えます。恐れるよりも楽しみに待つ、くらいの気持ちでいたいものです。
ただし、全財産をアメリカ株にベットするのはリスクが高すぎます。株安&円高局面が長期化する可能性もゼロではありません。そうなったときに不利な条件で、現金化せざるを得なくなるのは避けたいものです。円資産と外国資産が半々くらいの割合だと安心です。
今回のまとめ
・株安&円高でダブルパンチの可能性もあるが、淡々と積立投資を続けるべき
・全資産をアメリカ株にベットするのは高リスク
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。