一方で、法人や外国人投資家が投資目的で取得するケースもあり、早くも多くの部屋が賃貸や転売に出されているようで、今年5月にはNHKが「3割以上の居住実態が確認できない」と報じて話題となった。中古マンションの大手情報サイトを覗くと多くの部屋が出ており、約70平方メートルの3LDKの部屋が1億2000万円ほどで売りに出されている。新築時の分譲価格では約7800万円とされていたため、約1.5倍の値段になっている。
「晴海フラッグは、住宅ローンを駆使して何とか購入し、投資に充てようとするサラリーマンなどが主要な購入者層となっているとみられています。端っから投資目的の人が多いため、購入後に一度も居住せず空室にしている人が多いようです。一時は転売が批判の対象となったため、中古市場への供給数はそれほど多くなかったのですが今年に入ってから急増した。ただ、今は購入価格の倍近い“強気の価格設定”が目立ちます。新築とはいえ、晴海や豊洲、月島などのエリアはタワマンがこの10年で増えてある程度の選択肢がある。今後は大量供給によって価格は段々と下がってくるはずですが、それまではなかなか手を出す人は少ないのではないか」(榊氏)
今後、三田ガーデンヒルズも晴海フラッグと同じ道を辿る可能性はあるのか。榊氏が続ける。
「三田ガーデンヒルズは、不動産市場の成功例として早くも地位を確立しています。規模やグレードもさることながら、決め手はほかにない“圧倒的な立地条件”。港区のど真ん中で今後、これだけの規模の土地を捻出するのは難しいでしょう。異次元物件とも言えるため、希少性から値上がりの期待ができます。超高額ですが、富裕層はほしい物件についてはお金に糸目をつけませんから。もちろん投資目的で購入した人もいるでしょうが、価格が価格ですから大半は超富裕層が実需で購入している。晴海フラッグのように大量に転売されたり、賃貸に出されることは考えにくい」
金利上昇がマンション市場に与える影響も無視できないが、今後、東京を中心に沸騰する「不動産バブル」はどのような展開を見せるのか。