社会保険労務士の蒲島竜也氏が指摘する。
「基本的に遺族年金は夫を先に亡くした妻と子供を救済する制度です。妻が先に亡くなった場合、夫は支給条件を満たさないケースが多く、支給されてもごく少額の場合が散見されます」
専業主婦の妻が会社員の夫を亡くした場合、遺族厚生年金とは別に子供が18歳になるまで遺族基礎年金と子の加算、65歳まで寡婦加算、その後は妻自身の老齢基礎年金も合わせた額が一生涯受給できる。
妻に先立たれた場合に遺族年金が受給できるケースは稀
しかし、妻に先立たれた場合は話が変わる。
遺族基礎年金は「故人に生計を維持されていた遺族」でなければ支給対象にならない。岩本さんのケースのように、妻を養っていた場合は支給されないことが多い。
「夫が生計を維持する側であった世帯で妻が先に亡くなった後、夫が遺族年金を受給できたというケースは稀です」(蒲島氏)