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「もう肩代わりはしたくない」家族が国民年金や健康保険料を未納するとどんな影響があるのか?弁護士が解説

すでに10年以上も肩代わり…(イラスト/大野文彰)

すでに10年以上も肩代わり…(イラスト/大野文彰)

 もしも、家族の中に国民年金や健康保険料などを支払っていない人がいた場合、家族にどのような影響があるのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 両親と同居している私の兄はまともに働いたことがなく、国民年金や健康保険料の督促状が届くため、親が仕方なく支払っています。すでに10年以上支払っていますが、両親も生活にゆとりがないので、できれば肩代わりしたくないそうです。兄の年金や保険料の納付を放っておいたら、家族にもデメリットはありますか。(静岡県・40才女性・会社員)

【回答】
 国民年金は「日本国内に住所を有する20才以上60才未満の者で厚生年金の被保険者やその配偶者でなければその被保険者になる」ので、保険料の納付義務がありますが、被保険者が属する世帯の世帯主も連帯納付義務を負います。

 また、事業所に勤めていて健康保険の被保険者になる者やその被扶養者以外は、国民健康保険の被保険者になります。

 お兄さんは働かず生計をご両親に頼っており、その被扶養者です。世帯主もご両親のいずれかでしょう。もし世帯主が会社勤めをしていればその社会保険が使えますが、保険料の督促がお兄さん宛てに送られたとすると、国民健康保険の保険料のことだと思います。

 お兄さんが督促を無視して支払わなければ、将来、国民年金の給付を受けられません。当面のこととしては、保険治療を受けることができないということになり、極めて困窮した事態になることが予想されます。

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