為替は1ドル161円台から155円台まで円高ドル安に振れている。11日と12日に実施されたと見られる政府・日本銀行による円買いドル売り介入のほか、トランプ前大統領によるドル高是正発言などが材料視されて、投機筋による円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が進んでいるとの観測。ただ、トランプ前大統領の経済政策は財政拡大路線と見られており、金利は上昇しドル高に進みやすい傾向がある。トランプ前大統領の発言力が強いため、短期的には「ドル高是正発言」に反応したが、そもそも方針との違いなどが意識されて為替のトレンドは出にくいと考える。
一方、日銀金融政策決定会合開催が7月30-31日に迫っているため、河野デジタル大臣の発言のように金融政策に関する様々な発言が飛び交いやすく、為替はその都度、上下に振れる展開となりそうだ。今時点では、国債買入の減額スケジュールが示され、追加の利上げ実施は見送られるとの見方が強い。とはいえ、様々な思惑が錯綜することから、株式市場、為替市場、金利市場ともに神経質な地合いが続くと考える。
今週にかけて、国内では、26日に7月東京消費者物価指数、5月景気動向指数(確報値)などが予定されている。
海外では、22日に独・5月小売売上高、NZ・6月貿易収支、中・中国最優遇貸出金利、23日に欧・7月消費者信頼感指数(速報値)、米・7月リッチモンド連銀製造業指数、6月中古住宅販売件数、24日に独・8月GfK消費者信頼感調査、7月製造業PMI(速報)、サービス業PMI(速報値)、仏・7月製造業PMI(速報値)、欧・7月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・7月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、6月新築住宅販売件数、週次原油在庫、25日に独・7月Ifo景況感指数、トルコ・トルコ中銀政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、第2四半期実質GDP(速報値)、6月耐久財受注(速報値)、26日に豪・6月小売売上高、米・6月個人所得、PCEデフレータ、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)などが予定されている。