懸賞旗の申し込みも大の里に多数
売店の仕入れ担当泣かせの場所となっているわけだが、会場には連日、満員御礼の垂れ幕が下がっている。6年ぶりに初日から千秋楽までの15日間のチケットが完売した。会場入り口にも「入場券は全日完売致しました。当日券の販売もございません」と看板を掲げ、チケット販売のプレハブは封鎖されている。協会関係者はこう話す。
「愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)での開催は今年が最後。来年からは名古屋城北側の名城公園内に建設中の愛知県新体育館(IGアリーナ)に場所を移すことになっている。尾張っ子が慣れ親しんだ会場での最後の場所というのもあるが、大の里が準ご当地場所で大関昇進を決めることへの期待の現われだった」
今場所は懸賞旗総本数も昨年の1600本を上回って1947本となった。相撲担当記者が言う。
「地方場所は地元企業からの懸賞旗の申し込みが多く、ご当地力士への指定本数も増える。新規で8社の申し込みがあった。力士指定懸賞旗の常連の貴景勝が1位で、2位に大の里が続いた」
大の里には地元の造園会社や鶏卵農園、ペットショップチェーンなどが懸賞旗を出しているが、初日の23本は御嶽海、2日目の10本は若元春、4日目の11本は平戸海とそれぞれの力士の手に渡った。
大の里は4日目から4連勝して白星が先行し、初日から休場していた尊富士は中日から再出場して白星を飾った。売店関係者にもようやく笑顔が戻ったが、このまま懸賞旗を懸けた企業やグッズを用意した関係者の期待に応え、令和の怪物は後半の巻き返しとなるのだろうか。