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資産3億円の投資家VTuberはっしゃん氏 最新の『会社四季報』と独自理論から厳選した10倍株候補の6銘柄

Vtuberのはっしゃん氏

Vtuberのはっしゃん氏

 億り人が、最新の『会社四季報』(東洋経済新報社刊)から抽出した「10倍株」候補とは――株式投資で3億円を稼いだVTuberのはっしゃん氏が、どのように『会社四季報』を活用し、有望な銘柄を選別しているかをこちらの記事で紹介した。まずはチャートの形と業績欄のみを参考に選別するわけだが、さらにその銘柄が割安で買い時かどうかを判断し、最終的に10銘柄程度に絞り込んでいく際に重要な指標になるのが、「はっしゃん式理論株価」である。そこから、どのような銘柄が抽出されるのか。

 今回、はっしゃん氏は『会社四季報』を1時間で速読し、3900社から40銘柄まで絞り込んだ。そこからさらに、はっしゃん氏が独自に開発した「はっしゃん式理論株価」を参考に本当に注目すべき銘柄を絞っていく。

 はっしゃん式理論株価とは、各銘柄の「資産価値」と「事業価値」を足し合わせたものから、「市場リスク」を引き算したものだ。この理論株価と実際の株価を照らし合わせて、その銘柄が割安であるか割高であるかを探る。

「理論株価は、企業が公表している公式な業績をもとに、株価の適正価格を割り出したものです。株価は様々な要因で上下します。なかには適正価格から大きく乖離している銘柄もあるのです」

 理論株価の計算には、自己資本比率やBPS(1株あたりの純資産)、PBR(株価純資産倍率)、EPS(1株あたりの純利益)といった指標を理解しておく必要があり、初心者には難しい。それが、はっしゃん氏が監修する株式サイト『株biz』の『理論株価WEB』を使うと、理論株価を可視化した理論株価チャートを確認できるという。「この理論株価が上昇し続けている銘柄を探せばいい」とはっしゃん氏は言う。

『株biz』の会員専用ページでは下記のような理論株価のチャートを確認できる。

『株biz』の会員専用ページで確認できる10倍銘柄チャート

『株biz』の会員専用ページで確認できる10倍銘柄チャート

 理論株価チャートの見方として押さえておきたいのは、チャート上にある4色のラインだ。

『緑色線』=資産価値のライン
『オレンジ線』=決算書の会社予想から計算した理論株価
『水色線』=上限株価のライン
『赤色線』=四半期実績の理論株価

「まずは、理論株価(オレンジ線)が右肩上がりで上昇していることが重要です。そして、株価が理論株価よりも高すぎず、安すぎないこと。ちょっと具体的に言うと、資産価値(緑色線)より高くて上限株価(水色線)未満の銘柄です。また、直近の株価が理論株価に連動して上昇傾向にあることも重要です。先行指標ライン(赤色線)が理論株価よりも上であることにも注目しましょう」

 上のチャートを見ると、オレンジ線が上昇基調にあり、かつ水色線よりも下で、緑色線、赤色線より上という条件を満たしていることがわかる。

 はっしゃん式理論株価は、企業の財務指標や業績予測を基に算出された理論上の株価である。「理論株価WEB」と「理論株価チャートRoom」を活用すると、最新の企業情報に基づいた投資判断が可能になるという。上昇余地のチェックや時系列分析を通じて、割安な銘柄を見つけ、賢い投資判断を行なう指針となり得る。

 最新版の『会社四季報』(2024年夏号)をもとに絞り込んだ40銘柄から、さらに「はっしゃん式理論株価」の分析に基づいて厳選された「10倍株候補」の注目銘柄が次の6つだ。

注目の狙い目10倍期待銘柄6選

・タムロン(東証プライム・7740)
「レンズの製造会社で、現在はスマホ用レンズなども業績好調。最近は監視カメラ用のレンズや、車載カメラなど、あらゆる分野で注目されており、その波に乗って成長中。株価は割安で、監視カメラや社会インフラの需要が増加中かつ円安メリットも大きい」

・INPEX(東証プライム・1605)
「エネルギー銘柄で世界的に起こっている戦争でエネルギーの需要が高まり、少し特需的な株の上がり方をしています。ロシアのウクライナ侵攻から、インフレかつ、資源高になっており、そういう影響で業績も拡大しています。株価も上がって割安です」

・ライフドリンクカンパニー(東証プライム・2585)
「飲料系OEMメーカーで、AEONブランドの飲料水などを扱っています。一般的にはあまり知られていない企業かもしれませんが、非常に好調です。業績好調が続くことが前提ですが、今後の上昇も期待できる銘柄です」

・Japan Eyewear Holdings(東証スタンダード・5889)
「福井県の鯖江にある眼鏡製造会社で若干割高感もありますが、私は新規上場株を選ぶことが多い。新規上場株は成長余地が大きく、10倍株もその中から出やすい。とはいえ、この会社はもともと時価総額が700億円もあり、さらに上場してからの株価推移も右肩上がりが続いている。これが評価のポイントです」

・ディスコ(東証プライム・6146)
「半導体製造装置の会社で、研磨装置の世界トップ企業です。若干割高感はありますが、いまは半導体関連がとにかく好調です。これからAIで世の中が変わっていくという期待からでしょう。私が過去30年で見てきたなかでは、IT銘柄の高騰は3回目です。2000年前後のインターネット・バブル、2006年頃のiPhoneによるスマホバブル、そして今回は過去2回に匹敵するAIの波が来ています。そういう状況もあり、半導体業界で存在感を増している同社は注目です」

・東京きらぼしフィナンシャルグループ(東証プライム・7173)
「都市銀も地方銀行にしても、首都圏にある銀行の株価が全体的に上がっている。これまでゼロ金利、マイナス金利だったので、効率的なビジネスにはならなかったのですが、これから日銀が金利を上げてくる。普通預金も住宅ローンも、金利を取れる時代になる。つまり普通の銀行のビジネスが利益が出やすい環境になっていくわけです。地方は人口減少に苦しんでおり、これからのことを考えると、首都圏にある銀行はやはり強いと言えます。東京きらぼしは、業績が少しずつ上がってきている。配当もそれに沿って上昇しています」

 はっしゃん式理論株価を活用すると、初心者でも効率的に銘柄選びができるという。長期的な投資戦略を考えるうえでの助けになり得るのだろう。

■前編記事:《億り人流『会社四季報』の読み方》資産3億円の投資家VTuberはっしゃん氏が語る「私が1時間で10倍株候補を見つけている方法」

【プロフィール】
投資家VTuberはっしゃん:割安成長株に長期投資するスタイルで1億円を達成。現在は独立・起業して「初心者にも持続可能な株式市場の実現」という理念のもと、専門的な金融知識なしで利用できる株式入門サイト「株Biz」を監修・開発。YouTubeチャンネル「【株BizTV】はっしゃん式投資勉強会」のチャンネル登録者数は2.1万人。【Xアカウント】@trader_hashang

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