藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

ズバリ役立つ「信用残高」の見方 「信用買い・売り×株価の上下」で個人投資家と機関投資家の動きを掴み、8パターンのトレンドで今後の株価を予想

信用の買い残の4つのパターン

 買い残が増えて、株価が上がっている場合は、さらに上昇する可能性が高いです。これは個人投資家も機関投資家も足並み揃えて買っている場合が多く、力強い上昇を意味します。

 買い残が減少して、株価が上がっている場合は、個人投資家は売っているけれど、それ以上に機関投資家が買っている可能性が高く、比較的長く株価が上昇すると考えられます。

 買い残が増えて、株価が下がっている場合は、ナンピン買いをして評価損が膨らんでいる投資家が多いので、心理状況が悪くさらに下がる可能性があります。

 買い残が減って、株価が下がっている場合は、売らなきゃいけない人はおおむね売ってしまい、そろそろ底打ちが近いことを表します。

信用の売り残の4つのパターン

 売り残が増加しているのに、株価が上昇している場合は、個人投資家が売っているけど、機関投資家は買っている可能性が高く、さらに上昇することが考えられます。

 売り残が減少していて、株価が上がっている場合は、売っている人が買い戻しを迫られて買っている場合が多く、新しい買い手は入りづらいため、そろそろ天井の場合が多いです。

 売り残が増えていて株価が下がっている場合は、まだまだ下がると思って売っている人が多いのですが、先に信用で売っている人は、買い戻しを始めるので、そろそろ底打ちになる可能性も考えられます。

 売り残が減って、株価が下がっている場合は、空売りした人が株価が下がったところで買い戻しているにも関わらず、下がっているということは、機関投資家が売っている可能性が高いので、下落がまだ続く傾向にあります。

 このように信用残高の推移と株価を照らし合わせることで、今後の株価動向を読むことができます。もちろん信用の残高だけで株価は決まるわけではなく、そのほかの要因も鑑みる必要はありますが、未来の株価を予想する大きなヒントになりますので参考にしてください。

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