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高齢の母がショッピングセンターで台車に追突されてけが…治療費のほかに慰謝料の請求は可能か?弁護士が解説

 次に、治療しても完全に治らない障害が残る場合もあります。これが後遺症です。事故の結果発生する後遺症は賠償の対象です。後遺症による損害は2つに分けられます。

 1つは障害により発生する経済的不利益です。後遺症の障害により働けなくなったり、できる作業の範囲が制限されるようになったりすれば、将来の収入の減少が発生し得るので、労働能力が喪失したとしてその程度に応じて逸失利益として賠償請求できます。

 加えて、後遺症の程度に応じて被る精神的苦痛に対しての慰謝料の請求も可能です。後遺症に起因する逸失利益や慰謝料の算定に当たっても、交通事故の考え方が参考になります。

 もっともお母さんの場合、脳梗塞の後遺症がありますから、事故によって増悪した程度が問題になります。損害について店と交渉し示談をする上では、論点を整理するために診断書などを用意して、弁護士会の法律相談を利用するのがよいと思います。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※女性セブン2024年8月1日号

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