投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月22日~7月26日の動きを振り返りつつ、7月29日~8月2日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は週間で2396.38円安(-5.98%)の37667.41円と大幅下落。米国市場で半導体などハイテク銘柄が下落したほか、「トランプ・ラリー」の巻き戻しなども入ったことで米国主要指数が下落。また、日本の与党政治家などから「金融政策の早期正常化」発言が相次いだことで、7月末の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施への思惑が強まり、日米金利差縮小を見越した投機筋の円売りポジションの巻き戻しが加速。為替は1ドル151円まで円高ドル安が加速した。円はユーロやポンド、オセアニア通貨など主要通貨に対して強い動きを見せたことで、海外売上高比率が高い銘柄の押し下げ要因となった。
日経平均は25日に1285.34円と2016年6月のブリグジット(英国によるEU離脱)以来の下げ幅を記録するなど厳しい地合いとなった。日経平均は週末下げ渋る動きがみられたものの、大引けにかけてじりじりと下落。2021年9月27日から10月6日以来となる8日続落となった。
なお、7月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2177億円売り越したほか、TOPIX先物を1327億円売り越し、225先物は2458億円売り越したことから、合計5962億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を2243億円買い越すなど合計で2644億円買い越し。なお、自己は合計で3239億円買い越した。
日経平均は75日移動平均線を下放れたほか、週足ベースでは13週移動平均線、26週移動平均線ともに下回った。26週移動平均線割れは昨年12月以来のことで、中期的なトレンドが転換した可能性はある。6月26日以降、日経平均は上げ幅を拡大し、7月11日に史上最高値42224.02円をつけたが、11日も含め陰線が非常に目立っており投資家心理の悪化がうかがえる。6月末から7月にかけての上昇時、プライム市場の売買代金は4兆円前後と現物市場は盛り上がりに欠け、先物市場での買戻しが日経平均押し上げ役となった。
7月11日は7月オプション特別清算値(SQ値)算出前だったことから、仕掛け的な先物売買が入っていたと推測する。25日は日経平均が8年ぶりの大幅安となったことから、プライム市場の売買代金は5兆円台まで膨らんだが、月末の日米中銀会合など不透明感が強い地合いや円高ドル安進行などが重しとなり、押し目を狙う動きは限定的。投資家のマインドは悪化傾向にある。