トレンド

【立川で発見】映画やドラマで見かける“警察の取調室のカツ丼”が実在していた 店主が語る「出前事情」とリアルに体験した人からの「電話」

昭和50年代のメニュー表。カツ丼は上が700円、並が650円だった

昭和50年代のメニュー表。カツ丼は上が700円、並が650円だった

「1953年に店を建て替えた時に喫茶店としての営業を終え、中華そばと日本蕎麦という食事系メニューをメインに据えました。こちらも初代が、戦後の日本でこれから需要があるのは(喫茶よりも)飲食店だと考えたのでしょう。さらにはオムライスや、カレーライスといったハイカラな洋食もとりいれ、“なんでもあり”の町の食堂として賑わっていたと聞いています」(同前)

 集客に長けた初代・五郎さんは、当時人々の憧れの的だった白黒テレビをいち早く購入すると店内でプロレス放送を流し、店はそれを目当てにやって来るお客さんで大いに賑わったそうだ。

ある日「昔、取調室でカツ丼を食べました」という電話が…

あたたかみのある店内

あたたかみのある店内

「高尾亭」が出前を始めたのは1950年代前半のこと。78歳になる二代目店主・信吾さんも警察に出前したことがあるという。信吾さんが振り返る。

「いまJR立川駅の北口にある立川警察署はもともと南口にあって、うちの店に近かったんです。当時の出前の売り上げは警察が7割、残りが近所の会社や学校で、大部分を警察が占めていました。そして、警察への出前で人気だったのはカツ丼と天丼でした。

 なぜ丼が人気なのかというと、蕎麦は時間とともに伸びておいしくなくなってしまうけど、丼ものは冷めても食べられるから、といった話を聞いたことがあります。また昔の出前は蕎麦や寿司がほとんどで、立川ではうちのように丼ものを運ぶ店は珍しかったことも警察に選ばれた理由の一つでしょう」(信吾さん)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。