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往年の長者番付で振り返る「女性高額所得者」70年の変遷 「相場師」の娘から黒柳徹子、宇多田ヒカルまで

『窓際のトットちゃん』ベストセラーの余波

 世間をあっと驚かせたのは、1994年75位(納税額3億7751万円)の會田昌江氏。往年の名女優・原節子その人である。経済ジャーナリストの福田俊之氏が語る。

「1963年の女優引退後に表舞台から姿を消して行方知れずの彼女が突然現われ注目を集めた。相続対策で都内に所有する土地を売却したためでした」

 新聞や雑誌では全国総合順位に加えて、著名人部門としてスポーツ選手、芸能人、文化人などのランキングが花盛りだった。

「スポーツ部門は長年男性独占が続いたが、1985年に全英女子オープンを制したプロゴルファーの岡本綾子氏がランクイン。2002年には“プロランナー”となってCM出演料などで納税額が1億4147万円と前年から大幅に増えた高橋尚子氏がトップ10入りした」(福田氏)

 華やかな芸能界で一際輝いたのは黒柳徹子氏。

「1982年から1986年まで5年連続で俳優部門のトップ。『窓ぎわのトットちゃん』がベストセラーになったことが大きかった。彼女が税制調査会で『収入の90%を納税』と語って所得税の最高税率が下がったのは有名な話。ほかには2000年に当時高校生だった宇多田ヒカル氏が全国89位(納税額2憶6564万円)に入ったのは衝撃でした」(福田氏)

 公表されずとも、今後さらなる女性億万長者が次々と誕生するはずだ。

※週刊ポスト2024年8月16・23日号

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