「法務局の保管制度は、書式の不備等を指摘してもらえますが、内容までは見てもらえません。公正証書遺言は作成時に専門家が見てくれるので、内容を含めて遺言書の無効を防ぎやすい。確実に遺言を遺すなら公正証書遺言が望ましい」(旭氏)
遺言書を巡るもうひとつの注意点は、「記載した財産の内容が変わってしまった」場合だ。相続専門税理士の相原仲一郎氏が語る。
「遺言書を作成して数年経つうちに預貯金が銀行口座間で移動しているケースが散見されます。遺言書には『A銀行の預金を長男に、B銀行の預金を二男に』としていて、開けてみたらどちらかに偏っていて不満が噴出することも。遺言書は作成して終わりではなく、財産内容とともに定期的に見直すことが重要です」
※週刊ポスト2024年8月16・23日号