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嘉門タツオさんが語った“妻亡き後の過ごし方”「妻が好きだったワインを妻の友人や親族と楽しむ時間が、僕にとっての救い」

 気軽なSNSだけでもいいので、こうしたつながりをずっと持ち続けるのは大事なことだと思います。

 妻が亡くなって1年後、懇意にしていた酒屋から連絡があって、彼女が趣味で購入して酒屋の貯蔵庫に保存していたワインが36本も自宅に送られてきたことがありました。僕はお酒をやめていたのでどう整理するか迷いましたが、せっかくだからと40年来の友人たちを自宅に集め、ワインを楽しむ会を催しました。

 妻がいつ買ったのかわかりませんが、1本100万円もする高価なワインもありました。友人に飲んでもらえて妻も喜んでいるはずです。

 妻と築いた交友関係は生きており、彼らと思い出話に花を咲かせている時間が、僕にとっての救いになっています。「彼女はこんな話をしていたのか」といった新たな発見があり、妻の生きた証を再確認しているようで友人たちに感謝する日々です。

【プロフィール】
嘉門タツオ(かもん・たつお)/1959年生まれ。シンガーソングライター。1991年『替え唄メドレー』が81万枚の大ヒット。

※週刊ポスト2024年8月16・23日号

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