政府が賃上げと叫んでも物価高には到底追いつかない水準で、生活は苦しくなるばかり――そんな悲鳴がそこかしこから聞こえる。しかし、そうしたなかでも会社勤めをしながら月40万円以上、年間500万円を上回る“不労所得”を手にする人がいる。高配当株投資で総資産1億円超えの兼業投資家・なのなのさんだ。平日は本業のサラリーマン生活を優先し、日々の値動きも「見ない」という。そんな“億リーマン”に日常の生活について聞いた。
なのなのさん(年齢は非公開)は、大学時代に元手30万円で株式投資を始めた。当初の6年間は赤字続きだったが、高配当株をメインにした投資に切り替え、2008年以降は15年連続で黒字を達成している。2021年に保有資産1億円を超え、現在は1億7800万円まで増やしたという。
“億り人”というと、パソコンでいくつものディスプレイを駆使して売買を繰り返すイメージがあるかもしれない。だが、なのなのさんは「ふだんの生活は普通のサラリーマンとそんなに変わらないと思います」と話した。
「平日は朝6時に起床して、まず米国株と日本株の先物の値動きをチェックします。その後はテレビ東京の『Newsモーニングサテライト』の音声を聞きつつ、楽天証券のトレーディングツール『マーケットスピード』で見られる日経テレコンから日経新聞を読む。6時30分には朝食。8時前には家を出て会社に向かいます。
8時30分に会社に着くまでの電車内ではスマホで株価チェックなどはしません。昼休みに株価チェックをしますが、勤務中は相場を一切見ません。見ても仕方がない。仕事中に気になってトレードをしても良い結果にはならないですし、何より仕事が手につかなくなるのが一番ダメだと考えています。
夕方17時30分が定時で、残業をしても大抵は19時までに退社します。そのまま帰宅する日はもちろんのこと、飲みに行く時も帰りの電車で株価はチェックします」(以下、「」内はなのなのさん)