債券価格はどう変動するのか
債券は、発行時に額面で購入し、満期日に額面で償還されますので、入り口と出口の債券価格は同じです。ただし、その途中では、債券価格は変動しており、満期まで保有せずとも途中売却が可能です。
すでに発行された債券(既発債)は、市場金利が上昇すれば価格が低下し、市場金利が下落すれば価格は上昇します。つまり債券価格と金利は一方が上がれば、もう一方は下がるといった、シーソーの関係です。このしくみについて、簡単に説明しますね。
2%の利子がつく既発債(すでに発行された債券)があります。市場金利が1%に下がれば、これから発行される新発債の利率は1%以下になりますので、2%の利子が約束されている既発債は魅力的です。2%の利子がつく既発債の需要は高く、額面より高くても需要があるため債券価格が上昇します。
逆に、市場金利が3%に上がれば、2%しか利子がつかない既発債より、3%の利子がつく新発債を買ったほうがいいので、既発債の需要は低下します。そのため既発債の債券価格は下落するのです。
よって債券投資の出口は、2通りあります。
ひとつは、満期まで保有すること。この場合は、利益(額面価格+受け取り利子)がほぼ正確に計算できます。もうひとつは途中で売却することです。市場金利が低下して、債券価格が上昇したときに、値上がり益を取ります。
債券にかかる税金は
債券の税金は、「利子」にかかるものと「譲渡益」にかかるものの2種類あります。
利子は、銀行預金の利子と同じく、利子所得になりますので、利子を受けとる際に20.315%の税金が引かれます。
譲渡益は、株式と同じ分離課税で20.315%の税率です。特定口座の「源泉徴収あり」での売買であれば、証券会社が代わりに納税してくれますので、確定申告は不要です。譲渡損が出た場合は、配当金や債券利子と損益通算でき、残った譲渡損は確定申告することで最長3年間繰り越せます。
NISA口座での債券投資
NISA口座では、個別の社債や国債を買うことはできませんが、債券で構成された投資信託やETFを買うことができます。
つみたて投資枠では、債券のみの投資信託は対象外ですので、成長投資枠内で購入することになります。足元では、米国はじめ欧州などでも金利低下の傾向にありますので、今後債券価格は上昇する期待が持てます。ポートフォリオの一部に債券を組み入れるよいタイミングかもしれません。