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【注目銘柄】三光合成:40年来の樹脂データを強みにさらなる成長へ

三光合成(7888):市場平均予想(単位:百万円)

三光合成(7888):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 三光合成(7888)は、1944年設立のプラスチック製精密工業部品メーカー。各種機器・機械を構成するプラスチック成形部品、またその成形部品を製造するための金型の製造販売を行っています。

 アジア(タイ・フィリピン・インドネシア・中国・インド等)、欧州(英国・ハンガリー・チェコ等)、北米(米国・メキシコ)に拠点を持つグローバル企業で、売上の70%が海外からのものとなっています。

 事業の中心は成形品で、売上の84%を構成します(2024年5月期実績)。主なターゲット市場は車両で、自動車の内装・外装部品や機能部品を稼ぎ頭に全体売上の73%を構成します。

 車両以外では、プリンターカバーなどの情報・通信機器(7%)やエアコンの室外機・室内機のパネル、介護ベッドやゲーム機器など家電その他(5%)と、製品は幅広い分野で使われています。

強み:金型設計・製作部門を自社で保有

 強みは金型設計・製作部門を自社で保有することです。

 金型は金型メーカーに外注するのが一般的とされますが、同社は金型設計部門をグループに内包し、金型の設計から手掛けます。プロセスとしては、【1】顧客の製造現場で発生した課題やニーズを拾い上げ、【2】CAE解析を経て金型設計・製作に反映させます。

 CAE解析は、「Computer Aided Engineering」の略で、コンピューター上であらゆるシミュレーションを実施し、製品に性能的な問題がないかを検証する機械設計のプロセス。同社は1986年に国内で初めて導入した草分け的存在。同社の場合、CAEを標準的に開発プロセスに組込むことで、金型を作る前に不具合発生の予測と対策を立て、それによって最短の開発リードタイムを実現し、競争力を高めています。

 CAE解析の導入によって、例えば従来2ヶ月かかっていた自動車部品の金型設計・製作の納期が半分以下に短縮するなど、たくさんの事例があります。

 同社には1986年来のCAE解析データが積み上がっているわけで、これをCAD、CAMと合わせて新しい開発に反映させることができるのも、専業金型メーカーと一線を画すところ。他では製造できない「付加価値部品」の製造を可能としています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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