住まい・不動産

「たしかに家賃は安いけど…」格安の“大家さん物件”の住心地を左右する大家さんとの相性 「ほのぼのコミュニケーションなんてない」「朝夜問わず電話がかかる」

台風や地震があると夜中に全戸に電話「部屋に異常はないか」

 プライベート空間についての価値観は人それぞれ。世代によっても異なるためか、大家さんの優しさが“ありがた迷惑”になることもある。武蔵野市在住の会社員・Kさん(30代男性)も、前出・Yさんと同じような問題に直面している。

「僕が借りたのは2階のワンルームで、1階に大家さんが住んでいます。僕は仕事から帰宅後に洗濯をすることが多いのですが、ベランダで干していた洗濯物が夜の間に風に飛ばされて外に落ちていた時、朝の6時に『落ちていますよ』という電話がかかってきました。

 しかも、僕が電話に出るまで何度も電話をかけてくるのです。僕は夜型で、寝る時間は大体3時、起床時間は10時。6時は爆睡中なので、はっきり言って止めてほしかった……。大家さんは専業で、朝早くから庭仕事をするような人なので、6時も絶賛活動中かもしれませんが、こちらは大事な睡眠時間。勘弁してほしかったです」

 Kさんは、「大家さんは住人の生活を気にかけているだけで、悪気がないのが厄介」だと苦笑いだ。

「台風や地震があると、全戸に電話をして、部屋は無事かどうかを聞いてきます。ありがたいのですが、夜中に地震があったときもその調子で、『大丈夫だ』と言っても、『風呂場はどうか』『棚の中はどうか』など、見に行かせようとしてくるんです。

 こちらの生活よりも部屋のダメージに敏感なんですよね。自分の物件が大切なのはわかりますが、僕はプライベート空間にあまり他人を入れたくない。まあ、僕みたいなタイプはそもそも大家さん物件に住んじゃダメなのかもしれない、とは思いますね(笑)」(Kさん)

 大家さんと相性がよければ、家賃も安く、メリットも多いだろうが、住んでみないとわからないことも多い。できれば上手に付き合っていきたいものだ。(了)

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