2020年頃から広がった「推し活」ブーム。K-POPや地下アイドル、2.5次元など、いまでも各ジャンルで推し活に励む人たちが目立つが、やはり「推し活」にも終わりが来るときがある。そこでは、思いもよらなかった難題に直面することになるという。推し活をやめた人たちに話を聞いた。
推しの炎上、恋愛をきっかけに卒業
IT系企業で広報をしている女性・Aさん(35歳)は、自他共に認める“多ジャンルのオタク”として、中学生の頃からさまざまな分野にハマってきた一人だ。
「この年まで、恋人をつくらずにオタク活動だけを趣味に生きていました。年収は900万円くらいありますが、貯金はほぼゼロです。基本的には、ジャニーズJr.と、ジャニーズのデビュー組、ディズニー、ユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン=USJ)、K-POP、日本のアイドルです。ジャニーズの現場は行ける限り行くので、ドームツアーの時などは北海道から福岡まで遠征しますし、その合間にインパーク(※ディズニーランドやUSJなどに入場すること)します。
BTSがブームになる以前からK-POPも好きで、仕事が休みの時には渡韓して、現地の音楽番組の公開収録やコンサートに参加するというスケジュールですね。1年中、仕事以外の時間は何らかの推し活をしているので、親や友人には『目を覚ませ』『一生独身でいいの?』などと言われてきました」(Aさん)
そんなAさんも、さまざまな原因が重なり、今年に入って推し活から離れることになった。
「自分の推しだったメンバーがある問題を起こして、炎上したんですね。今まで品行方正だったし、噂程度はあったけれど、女性側にSNSで色々な暴露をされていて、正直熱が冷めてしまったのはあります。『どうしてトップアイドルなのに自覚がないの?』と。
それから、私が35歳になって初めて恋人ができたんですよ。相手との将来を考えたら、これだけ年収もあるのに“貯金ゼロ”ということを言えないと思って。推し活をしていることは隠していないのですが、そういう面で現実的になったこともあります。
自分の美容とか、メイクとかダイエットに向き合うなかで、次第にアイドルへの関心が薄れていって、大量のコンテンツ動画とか新曲とかをチェックしきれなくなりましたね。今の課題は大量に購入したグッズをどうにかして処分することです」(同前)