始末に困るぬいぐるみ、ダニの温床にも
Aさんと同じく、推し活を辞めて「グッズの処分」の問題に直面している人は少なくない。K-POPアイドルのファン歴15年、またキャラクターグッズ収集も趣味にしていた会社員の女性・Bさん(39歳)は、これらのグッズ類を捨てられずに困っているという。
「BIGBANG、東方神起、SHINeeと有名どころのK-POPアイドルにハマり、直近ではNCT127というグループにハマって応援してきました。応援のために渡韓することはもちろんの事、ファン友達もたくさんいるのでアイドルの誕生日に集まって誕生日会をしたり、韓国語教室に通ったりと、かなりお金を使ってきました。また、あるキャラクターのグッズを集めるのも趣味で、家中にUFOキャッチャーなどで取った景品から、小さいアクリルスタンド、フィギュアまで山のようにあります。
ある個人的な事情がきっかけで、推し活から離れることになったのですが、一番困ったのはグッズです。K-POPのペンライトやCD、DVD類、それからコンサートごとの会場グッズやアパレル商品、トレカなど……。とくに、ぬいぐるみが一番困ります。捨てたら罰当たりな気がするし、メルカリに出品しても売れない。
ダニの温床になってアレルギー性鼻炎も悪化するし、本当に困っています。人の顔がプリントされているものを、ゴミとして処分する勇気がまだないんですよね……。未練が残っているのかもしれません」(Bさん)
そんなBさんは、いま推し活に熱中している人たちに向けてこう語る。
「推しに熱中しているときは、それが人生のすべてでした。商品をたくさん買うとか、複数タイプのCDを全種類買う、ぬいぐるみを集めることが“正義”なんですよね。部屋中にグッズが散乱していることも、オタクとしての自分を肯定してくれているようで、安心できたんです。でも、必ず終わりがきます。いまでは家中のモノを見て、『どれだけお金を使っちゃっただろう……』と自己嫌悪になったりします。なにごともお金に余裕がある範囲で楽しむ、節度が大事ですね(笑)」(同前)
空前の推し活ブームが到来しているが、いま熱中している人たちにも、いつか終わりがくるかもしれない。そのときに後悔しないよう、ある程度の余裕を持った「推し方」を考えてもよいのかもしれない。