外貨預金との違い
たとえば今のように、ドル高円安の局面では、外貨預金でも、ドル建て預金をすれば為替差益と金利が得られます。これは、FXでドルを買って保有するのと同じことですが、じつは為替手数料が大きく違います。
外貨預金の手数料は、銀行によって異なりますが、一般的には1米ドルあたり1円前後が手数料としてかかります。例えば、1米ドル=100円のレートでも、実際に円をドルに換える際は101円を支払う必要があり、逆にドルを円に戻すときは99円しか受け取れません。この差額が手数料です。
それに対してFXでは、スプレッドと呼ばれる手数料が発生します。これは、FX業者が提示する買値(Bid)と売値(Ask)の差です。たとえば、1米ドル=100円の売値に対し、買値が99.98円と提示される場合、スプレッドは0.02円です。この差が実質的な手数料になります。スプレッドは通貨ペアや市場の状況によって変動しますが、外貨預金の為替手数料に比べると、一般的にはかなり狭い(少額)です。
ですので、外貨投資をするなら、FXのほうが断然お得なのです。
FXを長期投資として活用するには
FXは、ハイリスクハイリターンだと言われることが多いため、なんとなく怖いと感じてる人は多いようです。その理由は、レバレッジにあります。
レバレッジは、「少ない資金で大きな取引ができる仕組み」のことです。たとえば、10万円を持っているとします。レバレッジを「10倍」に設定すると、10万円の10倍、つまり100万円分の取引ができるようになります。かりに10%値上がりすると100万円の10%=10万円増えますので、自己資金10万円が20万円(2倍)に増えます。一方で、同様のレバレッジをかけていて、10%の損失が出たら、10万円の損失になるので、自己資金の10万円はゼロ円になります。
ただし、FXはレバレッジをかけなくても取引できます。たとえば10万円で10万円以内で買える通貨を買えば、レバレッジはかかっておらず、為替リスクは、外貨預金とまったく同じです。しかもFXには、いつまでに決済をしなくてはいけないといった期限がありません。1万ドルを買って、そのまま何年でも持ち続けることが可能で、その間ずっとスワップポイントを受け取ることができるのです。
たとえば、米ドルであれば、現在、年率4%程度のスワップポイントが受け取れます。株式では配当利回りが3%以上あると高配当と言われますので、それと比べてもなかなか魅力的です。しかも株式とちがって、通貨はゼロ円になることはありません。その点でも長期保有の優位性があります。
ちなみにわたしは、2014年に1ドル=125円で1万ドルを購入し、そのままホールドしていますが、スワップポイントは18万8111円(8月22日時点)になっています。投資額の125万円に対して15%ですから、悪くないですよね。