外国株や米国株インデックスなど、海外への投資に注目が集まっている。このような外貨建て資産を運用する際には、どのようなことに注意すればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第83回は、「外貨建て資産の運用」について。
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円安のリスクヘッジとして、円建てのみの資産ではなく、海外資産を取り入れる人が増えています。今やNISAの代名詞ともいえる投資信託「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(通称・オルカン)も、海外資産なので、意識せず購入している人もいるかもしれません。
2パターンある海外資産の運用方法
海外資産を運用する方法は2パターンあります。ひとつは、円で購入して配当や売却益を円で受け取る“円建て”と、外貨で購入し、原則として外貨で受けとる“外貨建て”です。
円建ての場合は、為替の影響を加味した上で価格が表示されるので、いちいち頭の中で円換算しなくてもよく、また両替のタイミングを神経質に測る必要もありません。「オルカン」を含む一般的な海外投資信託は、円建てです。
一方、外国の株やETF(上場投資信託)、債券は、その国の通貨で買い、売却時も外貨で受け取るので「外貨建て」になります。この場合、証券口座内などで外貨に両替し、その外貨で株やETFを買います。売却時は、外貨で受け取るのが基本ですが、円で受け取れる金融機関も多くあります。ただし、円で受け取る場合は、売却益から、外貨を円に替える手数料などを引いた金額が証券口座に入金されますので、注意が必要です。