津田塾大と東洋大に合格したら生徒はどちらを選ぶか
一方で、私立女子大御三家といわれた、津田塾大学(東京都小平市)、東京女子大学(東京都杉並区)、日本女子大学(東京都文京区)では、定員こそ満たしているが偏差値の下降ぐあいが小さいとはいえない。
創設者の津田梅子が新5000円札の顔となり、名門女子大の代名詞的存在の津田塾大学。かつては「秀才女子が集まる大学」だったが、最新のデータでは、津田塾大の学芸学部・英語英文学科(A方式)の偏差値は45.0(河合塾データ、以下同)。数学科(A方式)の偏差値は42.5。
東京女子大・現代教養学部人文学科英語圏文化(個別学力試験型)の偏差値は47.5。同じく現代教養学部情報数理科学科(個別学力試験型)の偏差値は45.0。
そして、日本女子大の文学部英文学科(個別3科目)は50.0。理学部数物情報科学科(個別3科目)は45.0。
一方で東洋大学の文学部英米文学科(前期3教科1)の偏差値は52.5、日本大学文理学部英文学科(A個別人文社会)の偏差値47.5と比較すれば、すでに中堅の共学大学群「日東駒専」と同じレベルかやや下に来ていることが分かるだろう。
津田塾出身で、現在、私立高校で進学指導を担当する教師はこう話す。
「うちの生徒も津田塾と東洋大学に合格したらまず後者に進学をします。津田塾の卒業生としては非常に寂しい限りですが」
なぜ、こうも女子大は低迷しているのか。
「1990年代に女子の就職が短大よりも四年制が有利になると、短大は志願者を減らし偏差値を下げ、淘汰されていきました。花形だった青山学院短大や学習院短大、立教女学院短大も今ではなくなっています。そして、2020年代の今、その“淘汰の波”が女子大に来ています」(私立高校進学指導教師)
なぜ、そうなってしまっているのか。女子大は短大と違って四年制大学であるのにもかかわらずだ。