美容師との関係値を築き、行きつけの美容室があるという人は多いだろう。自分と相性が良い美容室があれば楽だが、さまざまな理由から美容室を転々とする人たちもいる。そんな“美容室難民”たちはどんな悩みや不満を抱えているのか。そして美容師はそんな顧客をどう見ているのか。双方に話を聞いた。
「どこにするか決め手がない」
IT企業勤務の30代女性・Aさん(埼玉県在住)がそもそも美容室難民になったきっかけは、引っ越しがきっかけだった。
「それまで10年住んでいたところでは、マンションの隣にある美容室に通っていました。単純に近かったからというだけですが、美容師さんともまあまあ仲良くしていたんです。
でも引っ越し先では近所に美容室がなくて、どうやって美容室を選んだらいいかわからず……。もともと私は髪が長く、カラーもしないので、正直、美容師さんによる技術力の差をそんなに感じることもない。そうすると、逆によほど美容師さんと性格的な相性がいい場合じゃない限り、決め手がないんです。
だんだんどこでもよくなり、今では美容師さんと関係を築く気もなくなりました。いちいち日常会話をしなくちゃいけないのも面倒だったし、初めて行くお店で初回クーポンを使い続ける生活になって、もう3年です。結果的にお得感があり、このスタイルから抜けられません」(Aさん)
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