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初回クーポンの沼から抜けられない“美容室難民”の実態 「どこにするか決め手がない」と悩む顧客と美容師の本音

美容師の悩み「値段だけで判断されている側面も…」

 こうした美容院難民たちを美容師はどう見ているのか。40代の女性美容師・Dさんは、「初回クーポンだけで、2回目に来ないお客様は多い」と実情を語る。

「クーポンサイトに載せないとなかなか検索サイトでも引っかからないので、載せざるを得ない部分はあるんですよね。なおかつ新規のお客様を得るためには、やはり初回クーポンは不可欠です。ただ、髪質や頭の形、クセなど、その人の状況があまり把握できない初回で、完璧に仕上げることはどうしても難しい。初回だけで見限られてしまうのも珍しくありませんが、本音では3回は通ってほしいところです」

 ただ、2回目に続かない理由は、仕上がりの満足度だけではないこともDさんは感じている。

「結局、値段ですよね。薬剤の値上がりから価格改定をする美容室も多いので、うちも明らかに初回クーポンを使うお客さんが増えました。かつ、美容室も増えすぎた結果、美容室選びがどんどん難しくなり、値段だけで判断されている側面は否めない。通常価格が高くなっているので、ますます初回クーポンだけが消費されるケースは増えるのでは」(Dさん)

 客側に共通していたのは、“お得感”。理想の美容室に出会わないという悩み以上に、少しでも節約したいという気持ちが勝る人たちは多いのかもしれない。(了)

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