麺類の中でも健康的な料理
これだけでかなり柔軟な食べ物であると分かりますが、食べる時も柔軟過ぎるのが皿うどん。つけあわせとしては、紅生姜が無茶苦茶合います。さらに酢、辛子も入れると「味変」ができます。商品によっては、ウスターソースの小袋が同梱されている場合もあり、これも皿うどんファンからは好評です。
私は長崎の「金蝶ソース」が入った皿うどんを買いました。2食入りで178円。コレだけの金額で野菜とタンパク質がタップリ摂れる麺類ってあまりないのではないでしょうか。ラーメンについては「健康に良くない」みたいなレッテルを貼られがちですが、皿うどんやちゃんぽんは、健康的な料理だと思います。
そんな中でも、皿うどんには「とにかく麺を茹でなくて良い」「味変がしやす過ぎる」「自分の好きなスープを別に作って、それと合わせて食べることができる」という3つのアドバンテージがあり、それが今回、私が主張したかった点であります。
皿うどんは、全国的には日々の食卓に馴染みが深いものではないかもしれませんが、麺類の中でもかなりアレンジが効き、料理好きな方にとってもクリエイティビティを発揮できる料理なんじゃないの? なんてことを思っています。
なお、「ちゃんぽん」については「武雄ちゃんぽん」「伊万里ちゃんぽん」などが佐賀県にもあります。「武雄・北方ちゃんぽん街道」を有する武雄市のちゃんぽんは「井手ちゃんぽん」に代表されますが、魚介系は練り物以外は入っていません。ただ言いたいのは長崎だけのものではないということです。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。