麺類といえば、ラーメン・蕎麦・うどん・素麺・パスタといったところがまず思い浮かぶのではないだろうか。そこに「ちゃんぽん」も時々割って入ってくるが「皿うどんを忘れてはいけません」と現在九州在住のネットニュース編集者・ライターの中川淳一郎氏は力説する。最近、中川氏が立て続けに食べているという皿うどんの魅力について述べる。
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皆さんも「リンガーハット」などで食べたことがあるかもしれませんが、皿うどんは「うどん」というよりは「九州ラーメンの細麺を揚げたようなものに八宝菜の具をかけたようなもの」です。長崎が本場ですね。
なんで「皿うどん」というのかは、正直、ピンと来ていません。農林水産省のホームページの「うちの郷土料理」の「皿うどん 長崎県」の項によると、〈誕生当時、麺は椀や丼などの深い器に入れるのが常識だったところ、皿で出されたことで多くの驚きを誘い、そこから付けられたものだといわれている〉とあります。個人的には「ドライちゃんぽん」や「八宝菜硬麺」みたいな名前でもいいのにな、と思うのですが、まぁ、決まったことなのでこれについては何も言わない。
しかし、この皿うどん、麺類としてはかなり優れたものだと思うんですよ。九州にいるとスーパーでいくらでも売っています。基本的には50~70グラムほどの揚げ麺と粉末スープのセットになっています。
皿に麺を置いたうえで、肉・魚介類・野菜・カマボコ等の練り物を炒め、水を入れて粉末スープを投入すれば、トロミのついた八宝菜が完成します。市販のうずらのゆで卵もおススメです。
これを麺にかければ終了。通常の麺類というものは、茹でる必要がありますが、皿うどんはその必要がない。野菜についても、様々なものが合います。白菜・キャベツ・モヤシ・ピーマン・キノコ類・ニンジン・ニラ・キクラゲなどを豊富に入れられるのですね。肉については豚肉ですが、他にもエビとイカとアサリがかなり合います。