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《独自》ユニクロ柳井氏「日本人は滅びる」発言に元ネスレ日本CEOが賛同 「“世界の中の日本”の立ち位置を正確に表わしている」バブル崩壊後の日本企業の失敗とは

日本の未来について危機感を示したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(時事通信フォト)

日本の未来について危機感を示したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(時事通信フォト)

先進国の本音は「日本のようになりたくない」

 高岡氏は、返す刀で“前澤氏優勢”の世の風潮に異議を申し立てる。

「柳井さんはZARAが始めた製造小売というビジネスモデルを磨いてユニクロを日本一のアパレル企業に育てました。前澤さんも一代でビジネスを始めた人ですが、立ち上げたZOZOTOWNをいいタイミングで売り抜けた。しかもZOZOTOWNは国内でしか展開していませんが、ユニクロは世界で勝負している。グローバルな競争社会のなか、『日本人はもっとやれる』という響きの良い言葉に共感したい人が多いのかもしれませんが、前線で仕事する柳井さんの言葉のほうが“世界の中の日本”の立ち位置を正確に表わしていると考えます」

 高岡氏がそう考える背景には、シビアな現状認識がある。

「日本は世界で最も深刻なレベルで少子高齢化が進み、国力が衰えています。僕がネスレ日本の社長に就任する20年前にはすでに右肩下がりで、先進国はみんな“日本のようになりたくない”と思っていました。特にネスレのような食品企業は、人口が減って胃袋の数が減り、さらに高齢化で消費量が減ると、誰がやっても売り上げと利益を伸ばすのは難しい。それほど、少子高齢化はビジネスにとってマイナスになるのです」

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