醤油、塩、味噌ラーメンにくわえ、日々さまざまな新ジャンルが生まれているラーメン業界。なかでも、根強い人気を博しているのが“二郎系ラーメン”だ。二郎系とは、東京・三田に本店を構える「ラーメン二郎」を発祥とする一つのジャンルで、山盛りのもやしとキャベツ、厚切りのチャーシュー、強力粉から作られる極太麺、そしてトッピングのニンニクを特徴とする。
現在では本家ラーメン二郎グループのほか、修行によって独立した店舗や、それらに影響を受けた“インスパイア系”と呼ばれる店舗も多数存在する。二郎系ラーメンの愛好家は「ジロリアン」と呼ばれており、各地の二郎系を食べ歩くマニアも少なくない。
そのボリューム感から、男性客、とくに大学生や働き盛りの若者に人気のイメージがある二郎系ラーメンだが、最近では女性客も目立つようになっているという。
ハードルの高かった「コール」も予習できるように
二郎系ラーメンを食べ歩き、現在も週に一度は「二郎系」に足を運ぶという男性・Aさん(26歳・会社員)は、数年前に比べると女性客が増加した印象があると語る。
「二郎系ラーメンの特徴と言えば、“コール”と呼ばれるカスタマイズ方法です。これが初心者にはなかなかの鬼門で、個々の店舗によっても空気感が違ったり、コールするタイミングが違ったりと、ハードルが高い要因となっています。また、麺の量が多いことや、脂っこく胃もたれしそうなイメージもあって、女性客はなかなか入りづらかったのでしょう。
しかし、最近ではYouTuberやインフルエンサーが二郎系ラーメンをレポする動画をたくさんアップするようになり、事前に“予習”ができるようになったんです。またSNSでも、詳細な店舗ルールがシェアされるようになり、注文の際のハードルが解消されつつあります。こうした紹介コンテンツのおかげで、意外と麺量や野菜の量を調整できることなどが知れ渡り、女性客も増えたのではないでしょうか。
最近僕がよく行く二郎系の店では、どこかしらに女性客が座っていますよ。麺の量が少ないレディース向けのメニューなどが設けられている二郎系もあるので、最近ではいっそう女性客が来店するハードルが下がっているのと思います」(Aさん)