繁忙期のリゾート地や観光地に一定期間住み込んで働く「リゾートバイト」。これまでは若者を対象とした求人が多かったが、近年40~60代のミドル・シニア世代でも採用されるケースが増えてきたという。仕事に対する考え方が多様化する中で、リゾートバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか、経験者のリアルケースから探ってみよう──。
上野桂一さん(47才)と妻・恵さん(46才)は福岡県在住。2019年に結婚。旅行好きが高じて、沖縄県・宮古島、群馬県、秋田県など全国各地で夫婦一緒にリゾートバイトを続ける。現在は熊本県・黒川温泉の旅館で就業中。
6年前まで、千葉県内で建築関係の会社を営んでいた桂一さん。職業病である腰のヘルニアが悪化して悩んでいたとき、転機が訪れた。遠距離恋愛をしていた恵さんとの結婚が決まったのだ。
「彼女の実家がある福岡県に移住することになり、ちょうど体も限界だったので、会社をたたみました」(桂一さん・以下同)
これを機に新しいことをしてみようと考えていたところ、20代からリゾートバイトをしていた恵さんが、「夫婦でリゾートバイトをしてみない?」と提案。もともと旅行好きだった桂一さんは快諾し、人材派遣会社を通じて沖縄県・宮古島のホテルに就業を決めた。
「ぼくは客室清掃、妻はレストランサービスに就きました。ぼくにとっては初めての業務内容でしたが、50代の先輩がやさしく教えてくれて。前の仕事に比べて腰への負担も軽く、体調も改善していきました」