都内屈指の高級住宅街・成城に立地する「サクラビア成城」
富裕層だけしか入ることができない入居金1億円以上の「超高級老人ホーム」は、入居金数百万円～数千万円の老人ホームと何が異なるのか。富裕層はそこでどのような老後生活を送っているのか──。そんな実態を探るべく、「いつかはサクラビア」と支持を集め、超高級老人ホームの代表格の1つとして知られる介護付有料老人ホーム「サクラビア成城」（東京都世田谷区）に足を踏み入れ、取材した。そのサービス・設備はどのようなものか――。（前後編の前編）
入居時の前払金は安くて1.2億円、最高4.7億円
約3000坪の敷地を誇る「サクラビア成城」は都内屈指の高級住宅街・成城に位置し、入居条件は70歳以上で、入居時に要支援・要介護認定を受けていないことなどを掲げる。老人ホーム・介護施設選びをサポートする「シニアホームの窓口」を運営するファーストブリッジの社長・森坪真澄氏は、他の老人ホームとの違いを次のように説明する。
「ステイタス性の高さはもちろん、親会社が森ビルとセコム・グループで経営的にも盤石。手厚い態勢とサービスで安心できる施設として富裕層に選ばれるホームです。介護付有料老人ホームは入居時の身体の状況によって、介護専用型、混合型、入居時自立型の3つのタイプに分類されますが、『サクラビア成城』は入居時自立型です。基本的に自分で身の回りのことができる元気な人しか入居できないですが、元気な人がその後、介護が必要になっても24時間365日のサポート体制で介護を受けながら住み続けることができます。ホテルのようなおもてなしが充実しているため、超富裕層にとってはセカンドハウスとして利用できる魅力もあるようです」
一般居室は全室南向きで、50.89平方メートル～147.44平方メートルの広さまで15タイプの間取りがある。前払金の入居費用（15年分の家賃相当額にあたる入居一時金、介護一時金など）は、最も安い居室で約1億2000万円、最高額は約4億7000万円に上る。
これらの前払金に加え、毎月、食事代や管理運営費、水道光熱費などの生活費が1人約35万円（2人の場合は計約60万円）かかるが、入居希望者は後を絶たない。順番待ちの居室もあり、現役世代の見学者も多いそうだ。
