富裕層だけしか入ることができない入居金1億円以上の「超高級老人ホーム」は、入居金数百万円~数千万円の老人ホームと何が異なるのか。富裕層はそこでどのような老後生活を送っているのか──。そんな実態を探るべく、富裕層の間で「いつかはサクラビア」と支持を集め、超高級老人ホームの代表格の1つとして知られる介護付有料老人ホーム「サクラビア成城」(東京都世田谷区)に足を踏み入れ、取材した。そこにはお金だけではない、絶対的な入居条件があるという――。(前後編の後編。前編から読む)
医師が施設内に24時間365日常駐
一般居室は全室南向きで、50.89平方メートル~147.44平方メートルの広さまで15タイプの間取りがある。前払金の入居費用(15年分の家賃相当額にあたる入居一時金、介護一時金など)は、最も安い居室で約1億2000万円、最高額は約4億7000万円に上る。これらの前払金に加え、毎月、食事代や管理運営費、水道光熱費などの生活費が1人約35万円(2人の場合は計約60万円)かかる。
それだけに、入居者サポートの体制も万全を期している。
「常勤の介護スタッフ約30人のうち、半数以上が10年以上勤務しています。長年の経験を積んだ人材がそろい、蓄積した高度な知識やノウハウで入居者様をサポートしています。要支援・要介護の居住者様1.5人に対し、スタッフ(看護師および介護スタッフ)1人以上の体制をとっています」(「サクラビア成城」運営会社プライムステージ・お客様相談室広報担当)
施設内に併設されている「医療法人社団 聖桜会 サクラビアクリニック」(協力医療機関)に医師が24時間365日常駐しており、万一の際は居室まで駆け付けるなど緊急時にも対応できる体制は、入居者やその家族に安心感を与えている。同クリニック内には薬剤師がおり、施設から外出せずに薬を受け取ることができるのは非常に便利だ。
老人ホーム紹介サービス「シニアホームの窓口」を運営するファーストブリッジ社長・森坪真澄氏が、次のように解説する。
「医師が施設内に24時間365日常駐しているのは全国的にも非常に珍しいです。さすがサクラビアと思います。施設内や敷地内に診療所がある老人ホームはありますが、医師が毎日24時間常駐している老人ホームはここだけかもしれません。精神的な安心感は抜群にあると思います」