株式投資で億の資産を築き、三重県の消防士を早期退職した“億り人”のかんちさん。高配当株投資についての著書がベストセラーとなっているが、ポートフォリオには一定の割合で「優待株」も組み入れているという。そこにはどんな戦略があるのか。
かんちさんに話を聞くと、「優待株は最低単元(100株)だけ持つのが基本」と強調した。
「100株以上持っていても、保有株を増やしたのと同じ分もらえる優待券などが増える銘柄は少ない。100株を500株に増やしても、優待は5倍ではなく2倍とかにしかならないものが多い。だから100株しか買わないことが多いし、そんなに資金もかからないのです。
日本の優待制度は世界の他に例を見ないほど充実していて、なおかつ少額の株主に優位にできている。それを資産形成に生かさないのはもったいないと思います。企業側としては長く持ってもらうとか、自社製品を知ってもらうという目的があります。あとは優待を使うついでに他の買い物をしてもらうとか。いろんな目的でやっており、工夫がなされています」
「現金でもらえる配当」と「ポイントでもらえる優待」の違い
かんちさんは、「あまり難しい戦略などは考えていない」とも話す。
「これだけ金利が低いなかでインフレになってきたし、預貯金だけでは大損しているといっても過言ではない。それなら優待株に投資したほうがいい。ただし、値上がりすると考えられる優待株は優待がなくなっても保有し続けるけど、そうではない優待株は優待廃止ならすぐに売る。そういうルールを作って運用することが簡単であり、大切なことですね。
私自身、優待株の買い替えは頻繁に行なっているわけではありません。ただ、株価が軟調で安くなっている優待銘柄がたくさんあるような時は、利回りのいいのがあれば買いますね」