孫がトラブルの火種に
親子が同居ではなく、近居する場合でもトラブルは生じる。70代以上でよくあるのが「孫疲れ」するパターンだ。
「子供のほうから、自宅の近くに呼び寄せた父や母に孫の世話をお願いするケースが多い。最初こそ孫の顔を見ることができて喜んでいるのですが、ずっと世話するのは年齢的に厳しく、子供から孫にかかる費用をおねだりされて金銭的な負担が重なることもあります。かといって『孫の面倒なんてみたくない』とも言いにくく、疲労やストレスが心身に蓄積して、ある時急に倒れたり、秘めていた感情が爆発したりすることがあります」(太田氏)
嫁姑の確執が生じる懸念もある。70代の母を自宅近くのマンションに呼び寄せ、近居する40代の男性Bさんが語る。
「母は近くに知り合いもいないので、私の家にしょっちゅう顔を出すようになりました。そのうち、『あそこの塾に入れたほうがいいんじゃないの』と孫の教育方針に口を出すようになった。妻は子供の自主性に任せたいタイプなので、次第に母と対立するように。嫁姑関係がギクシャクして、緊迫した状況が続いています」