NPO法人・となりのかいご代表の川内潤氏が説明する。
「スタッフの定着率が悪いと、それを補う人員も少ないので支障が出がちです。どんな施設でも100%事故を防ぐことはできませんが、人員配置の差配が上手くいかない施設は往々にして見守り体制が疎かになりやすい」
グループホームに限らず、スタッフの定着率は重要なポイントとなる。
「厚労省が提供する『介護サービス情報公開システム』で、各施設の従業員数と退職者の数を知ることができます。そこから離職率を計算する。あまりに多いと何かしらの問題を抱えていると思っていい」(同前)
公的施設の特別養護老人ホームに関しては、利用料金が低いこともあり、特に都市部では複数の待機者が入居の順番待ちをしている状態だ。
「ケアの質が少々悪くても利用者が途切れることはないので、受け入れ体制に問題がある施設でも、自浄作用が働きにくい点は否めない」(川内氏)
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