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《後悔しない老人ホーム選びのポイント》確認すべきは“スタッフの定着率”、「印象に残る看取りの事例」を質問するのも有効

「看取りの事例」を質問する

 民間企業が運営する介護付き有料老人ホームにも注意すべき点がある。

「やはり営利企業ですから、お客さんが欲しい。営業トークには注意が必要です。入居担当者が『すぐにでも入れますよ』と言っていたとしても、現場はギリギリで回していることもある。入居した後で、こんなはずじゃなかった、と後悔することも少なくありません。

 また、24時間看護師常駐がウリの施設でも、夜間の看護師はスポットのアルバイトだったりすることが増えています。日頃接している看護師であれば対処可能なことも、その日限りのアルバイト看護師では上手くいかないこともある」(川内氏)

 終の棲家として老人ホームを選ぶ際は「看取りケア」も重要な要素となる。最近では、ホームの種類によらず看取りを行なう施設が増えてきた。

「ホームが実施する看取りケアとはどんなものか、入居前にきちんと理解していないと、人生の終点で後悔することになります。また自分が望む看取りについても事前に考えておく。過度な延命措置を望まないのであれば、施設側にきちんと伝えましょう。それを疎かにしてしまったために、最後の最後に病院に運ばれて、望まない延命治療を受けることになった人も実際にいます」(川内氏)

 看取りケアの充実度を見極めるため、川内氏は「印象に残る看取りの事例を教えてください」と質問することを勧め、「想いのこもった回答をする施設が望ましく、積極的に事例が出てこない施設は要注意」と指摘する。

 注意点を知ったうえで、後悔しない決断をしたい。

※週刊ポスト2024年10月4日号

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