日本でも平成リバイバルブームで「古いiPhone」がカッコいい
若者のトレンドに詳しい、マスコミ勤務の女性・Bさん(20代)は、「平成リバイバル」の風潮とミニマリスト的な“飾らないムード”が若者に支持されていると分析する。
「あえて古めかしいもの、懐かしいものを愛好する『ダムフォン』のスタイルは、Y2K(2000年代文化)の流行に見られる世界的なレトロブームに乗っている面があります。日本でも、平成初期に流行した『たまごっち』(1996年発売)や、ルーズソックスなどがトレンドになっています。
このように“あえて古いもの”を最先端のカルチャーとして取り入れるのが、中高生には新鮮なんです。日本でも、あえて親世代のお下がりの古いiPhoneを使って、画素数を落とした写真を撮ったり、動画を撮ったりするのが流行っています。これも欧米でダムフォンが流行っている動きと連動しているように思います」(Bさん)
Bさんによれば、「SNSでつながりを増やす」ことよりも、限られた親しい間のなかでミニマルな人間関係を大事にする動きがZ世代の傾向だという。
「昔はSNSで、むやみやたらにフォロワーや知人を増やし、つながりを広げることがカッコイイというイメージがありました。でも今の若い世代は、逆なんです。“親しい友達”限定でコンテンツをアップしたり、フォローフォロワー関係になる。
ミニマリストも増えているように、SNSの関係性も“増やすよりも減らす”。社会的なつながりを完全に断つのではなく、最小限にとどめることによって、自分自身と向き合う時間を増やし、不要なトラブルを防ぐというのが新しい価値観なんです。ダムフォンや“古いiPhone”はそういう空気感にマッチしたモノですね」(同前)
SNSに熱中するあまりスマホ依存になったり、毎年発売される高性能な新モデルにモヤモヤしたり……。そういった消費者たちにとっては「あえてローテク」で最低限の機能だけを備えたダムフォンが魅力的に感じられているようだ。