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《豪雨による東京の地下鉄への被害をシミュレーション》荒川決壊で危惧される都営大江戸線の「全駅水没」、銀座や丸の内では「噴出洪水」も

荒川破堤で浸水どうなる?豪雨で都営地下鉄の全長43kmが浸水の懸念も

荒川破堤で浸水どうなる?豪雨で都営地下鉄の全長43kmが浸水の懸念も

「全駅水没」が危惧される都営大江戸線

 古くから日本の地下街は雨の被害にあってきた。1999年6月、福岡県福岡市を襲った豪雨災害では、博多駅付近の地下街が水没し、地下1階の店舗で働く従業員が逃げ遅れて死亡した。同年8月にも集中豪雨により、東京メトロ半蔵門線の渋谷駅が浸水している。

 今年8月のゲリラ豪雨では死者こそ出なかったが、雨量は過去最多を記録している。ウェザーマップ代表取締役社長で気象予報士の森朗さんがゲリラ豪雨のメカニズムを解説する。

「太陽の日差しで温められて地表の気温が上がると、空気が膨張して多くの水蒸気を含む上昇気流が発生します。その水蒸気が上空で冷やされると水滴に変化し、やがて雨になって地上に降り注ぎます。猛暑が続く近年は地表がますます高温になり、水蒸気の量が増加して局所的な集中豪雨が発生しやすくなりました。

 しかも、このタイプの豪雨は降る場所を予想するのが難しい。日本庭園にあるししおどしのように一定量を超えると水が一気に流れ落ちますが、どこで限界を超えるのかわかりません」

 9月に入っても異常な暑さが続く今年、ゲリラ豪雨のリスクが高止まりし、秋の台風に伴う豪雨が発生する恐れもある。

 実際にそうなると地下では何が起こるのか。東京を例にし、シミュレーションしてみよう。

 そもそも東京は傾斜や地盤沈下の影響で地面が低く、「下町」と呼ばれる東側の低地を中心に地形的な脆弱性を抱え、江東区や墨田区、江戸川区、葛飾区、足立区には海抜ゼロメートル地帯がある。

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