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「家族」「戸籍」「学生時代の友人」「職場の同僚」…既存のコミュニティの枠組み取り払われるなかで他者と「よりよい人間関係」を結ぶために重要なこと

不動産コンサルタント・長嶋修さん

不動産コンサルタント・長嶋修さん

「結婚」といった選択肢を取らず、法によらない「パートナー」といった関係性を選択する人も、そもそもそうしたこと自体を選択せず、形式的には「一人で生きていく」という選択肢もすでにあり、今後ますます増える可能性が高いと思います。こうなると「家族」「戸籍」「主人」「嫁」といった従来のくびきから解き放たれ、より自由度の高いあり方があたり前の社会となります。

「学校時代の友人」も年功序列・終身雇用が崩れる中では、一昔前ならほぼ同質であった収入や仕事との向き合い方、ひいては人生の価値観も多様化し、場合によっては全く話が合わないといった事態も容易に想定できます。その関係性は大きく変わるのではないでしょうか。

「職場の上司・同僚・後輩」も働き方が変わる以上、同様です。滅私奉公のようにイヤな上司に仕える必要もなく、同僚もその価値観は多様です。

 こうして既存のコミュニティは、その定義もあり方も、溶けていきます。そこで、次の時代に必要となりそうなのが「新しいスタイルのコミュニティ」。既存の枠組みが取り払われた後、あるいはそのプロセスで、私たちはなお「よりよい人間関係」を求めるのではないでしょうか。

価値観でつながるコミュニティの誕生

 しかしそもそも、他者と「よりよい人間関係」を結ぶにはどうしたらよいのでしょうか。重要なのは「互いの価値観を尊重しあえること」だと思います。ですからもちろん従来型の家族や学校時代の友人、職場の人間関係でそれができればよいのですが、こうしたくくりは古い価値観を引きずっている場合も多く、何より人は、時間の経過とともに成長し、価値観もどんどん変化していきます。

 旧来のくくりでその変化を許容できるでしょうか。それが可能なケースもあればそうでないこともあるでしょう。したがっておそらくそこにはかなりのフレキシブルさが求められるのではないかと思います。

 そのような中、求められるのは「価値観でつながるコミュニティ」であると筆者は考えます。社会制度や境遇でくくられたコミュニティではなく、年齢や性別、地域・国籍などあらゆる枠を超えて、同じような価値観を持つ人同士で集まると、単純に楽しいのではないでしょうか。

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