元消防士で資産8億円の個人投資家・かんち氏は長期保有のスタンスを崩さない
三重県に住む元消防士のかんちさん（62）は、株式投資で資産8億円超を築いた“億り人”である。高配当株投資の達人として知られる一方、優待株も約500銘柄を保有し、優待品や優待券で楽しく日常生活のなかの外食や買い物などを賄っているという。そのかんちさんが、自身の買った優待株を「保有時価総額」でランキング化した。どんな銘柄が上位にランクインしたのか――。
（以下、かんちさんの優待株「保有時価総額ランキング最新版」を一覧表で紹介）
かんちさんの優待株「保有時価総額ランキング」その1
多く保有する優待株が満たす「3つの条件」
かんちさんによれば、優待株は多く保有しても優待内容が大きくはかわらないため、、「最低単元（100株）で持つ」のが基本だという。ただ、ランキング上位に入る銘柄は、いずれも100株を超えて保有している。かんちさんが言う。
「優待単元の100株よりも多く買う銘柄は、3つの条件を満たしているかで決めます。1つ目は増収増配しそうな企業かどうか、2つ目は配当金もそこそこの水準傾向にあること、そして3つ目が使える優待がついていて1単元より買い増した際に優待が増加する企業。この3つにすべてが当てはまっていると100株より多く買うので、そういう企業がランキングの上位にきます」
かんちさんの優待株「保有時価総額ランキング」その2
1万株を保有する銘柄も
ランキングを見ると、各銘柄の保有株数は1200～1万株と差がある。かんちさんはこう説明する。
「保有株数に違いがあるのは、優待ランクが上がるように保有株数を増やしているから。たとえば1万株保有する2位のAndDoホールディングス（3457）は、2000株保有すると株主優待ポイントが4万ポイントとなる。5位で3500株保有のINPEX（1605）は800株以上を3年以上保有すれば最高の5000円分のQUOカードとなる。そうした上限を意識した買い方になっていますね」
かんちさんの株式投資のポリシーは「買った株はほったらかしでいい」というものだ。
「基本的に優待株は売り買いをほとんどせず、買ったらそのまま何年も放置しています。そのため500銘柄も保有するようになってしまった。なかには優待が廃止される銘柄もあるが、廃止されたら基本的に即、翌日の寄りで機械的に売却します。そして、別の優待株を買う。株主優待を一度でも改悪するような企業はその後も改悪を続けるとの持論に基づいています」（かんちさん）
長く保有を続けるのは「値上がりする優待株」
最近では回転寿司やステーキ店を運営するコロワイド子会社の「アトム（7412）」が該当する。コロワイドとグループ会社の各店舗で利用できるほか、飲食料品と交換できる株主優待ポイントが、今年9月から従来の半分に減らされた。
「ただし、同じように優待がついている購入銘柄で優待が廃止されても、“値上がりする優待株”として売らなくてもよいと判断した株は、そのまま保有します」
“値上がりする優待株”に分類して保有を続ける代表的な銘柄はAndDoホールディングス、INPEX、サンフロンティア不動産だといい、いずれも、かんちさんの優待株の保有時価総額ランキングの上位に名を連ねる。
かんちさんの戦略から、学べることは多そうだ。
【プロフィール】
かんち／1961年、三重県生まれ。元消防士。専業投資家。現在の資産は8億円超で、年間配当金は2000万円超に達する。投資初心者でもわかりやすく、判断基準が明確で再現性の高い投資手法は、個人投資家の間で定評がある。5月に初の著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』（ダイヤモンド社刊）を上梓し、注目を集めている。
